延べ2,000名と接した元塾講師が語る「夏期講習会ついて」

1校舎で800名を超える小中学生の生徒をお預かりしていました元塾講師です。

私自身、国立大学大学院にて教育関係の研究を行っていました。修了後、塾の講師として10年近く勤務し2,000人以上の生徒と接してきました。

今回は「夏期講習会」

夏の長期休暇を利用した学習塾での講習会。
最近新聞の折り込みチラシや広告をよく見かけると思います。

夏期講習会は大まかに分けると3つのパートに分かれているのをご存じですか?
実はこのことをあまりよく知らずに勧められるがまま講習会に参加すると、目的としていた学力の獲得とは異なる勉強をすることにもなります。

下記をご覧ください。

■ 夏休みに入ってすぐ
名称例)「基礎徹底講座」「体験講座」「1学期の総復習3Days」など
これらは安価な講座であることが多く、実は「外部受講者の集客商品」であることが多いです。

■ お盆前
名称例)「夏期講習会Aターム」「1学期完全復習講座」など
ここが塾生メインの講座。塾生の学習進捗状況を考慮した講座組になっていて、復習を中心に行うことが多いです。

■ お盆明け
名称例)「夏期講習会Bターム」「2学期先取り講座」など
ここも塾生メインの講座。余裕を持った知識の獲得を目指すため、2学期の予習を中心に行うことが多いです。

これまでの経験からアドバイスできるとすれば、夏休みに入って直後の安価な講座については「外部受講者の集客商品」と考えている塾が多いのは間違いありません。
そのため、個別面談でもこの講座については積極的には勧めない塾もあれば、本当に基礎基本の確認をさせたいという生徒には勧めるという塾もあるでしょう。

基本的には本当にさまざまな知識がうろ覚えで、1から勉強をさせたいと思っている方にはおすすめです。
理由は「外部受講者の集客商品」だからこそ進めるペースもゆっくりで、授業や解説についてもゆっくりと丁寧に行う傾向があるからです。
ただし、本当に基礎基本を行うと思っていただければと思いますので、ある程度の学力をお持ちの方については物足りないという気持ちになるかもしれませんし、簡単すぎると感じるかもしれません。
そのため、受講を検討している際はそのあたりも判断材料に入れてください。

お盆前の「夏期講習会Aターム」などと言われている講座については、塾側の本音で言うと「全員に参加してもらいたい講座」に該当します。
なぜなら夏休み後の実力テストの出題範囲を中心にカリキュラムが組まれていて、なおかつ2学期に入り新しいことを学ぶ前の最後の復習の機会となるからです。
そのため、このタームでは成績優秀者を発表したり、授業も盛り上げたりと工夫が凝らされていることが多いです。
参加費用は高めですが、塾側がメインで考えている講座であるため満足度も高くなります。
ただ、宿題も多くなりがちで、ここでたくさんの学習量を確保させたいという思いもあります。
個人的には学部受講者の方はこのタームに参加されたほうが、よりその塾の様子が分かるのではないでしょうか。

最後にお盆明けの「夏期講習会Bターム」などと言われている講座。
こちらは先取り学習が中心となっているため、1学期の範囲が定着していない人にはあまりお勧めできません。反対に1学期の内容が確実に理解できている人にとっては最も有意義な知識を得ることができるタームとも言えます。

いかがでしたでしょうか。
このように夏期講習会では「何を学ばせて、どのような結果を出させたいか」という塾側の想いが各タームに込められています。
ご家庭でどの部分をこの夏に強化したいのかよく話し合い、適切に対応していただける講座選びをすることも夏休みを有意義に過ごすポイントになるかもしれませんね。

今は塾に興味がなくても、資料請求だけはお早めに

今までの経験でも、塾が必要になる時期は人それぞれです。
そのなかで私が感じていたのは「手遅れになる前に行動」をしてほしいということです。

塾は高いと言われることが多いですが、ぎりぎりの段階で学力が志望校に足りないからあわてて塾に来ましたというほうが瞬間的な費用はかなり大きくなりますし、けれども期間が短すぎて良い結果を得られるかわからないということもあります。

もし行くとなればどの塾に行こうかということを日頃から検討しておけば、いざというときに焦らずに考えることもできます。
その一歩としては資料請求から始めることです。


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