しんどいときの優しさは本物?-人気コラムニスト「にしかわまい」の恋愛コラム

人生初のインフルエンザになりました。

頭が痛くてぼーっとしてたので、熱中症か〜!と呑気に構えていた。仕事から帰宅して、普段通り生活をしてるいるとじわじわと寒気。

37.3℃

夏風邪か、なんて思いながら、洗濯を回した。次の洗濯物が床のバッターボックスで控えている。気力でご飯を作り、掃除をして、すべての洗濯物をやっつけ、横になった途端に身体がしんどくなった。

39.8℃

寝るしかない。
朦朧とする意識のなかで夢をみた。

昔とっても好きだった人が急に現れて、私にオレンジ色のビー玉をくれた。
なにこれ?と聞いたら、走馬灯よ!とニコニコしながら言われた。

へえ、これがあの有名な。
それにしては凝縮されすぎじゃない?とか思ってたら目が覚めた。

最後の気力で夫へ「熱があるのでアイスを買ってきてほしい」と送ったラインは未読のままだった。
水を飲みにキッチンへ行くと、帰宅した夫が夜ご飯を食べていた。
おかえり、とだけ伝えて寝室へまた倒れ込んだ。

朝起きると、キッチンには昨日の残飯、洗っていないお皿、使った調味料がそのまま。
子供は元気に騒ぎ出し、朝ごはんを作らなければいけない。

思考力が著しく低下しているので、やらねばならない事は分かっていても、ぼーっとしてしまう。
ぼーっとしてたら、涙が出た。

しんどい。

しかし私もいい大人なので何やかんやと全てのタスクを完了し、フラフラと病院へ行った。

ありゃ!40度!!インフルエンザだね☆大変だ☆
軽いノリで、告げられた。
インフルエンザより40度にびっくりした。
タミフルをゲットした。

「40度もあったらしんどかったでしょう。歩いてきたの?帰りは大丈夫?」
思いのほか優しくされて、惚れそうになった。
そういえばこの優しさ、お金払ってるんだっけ。

私は子供ではないので、熱が出れば病院へ行けばいいとわかっているし、薬を飲んで寝れば治るのだ。

しかし、健やかなるときも病めるときも共に過ごすことを誓った相手が、こんなにも弱ってるというのに、まあまるで何もなかったような態度をされ、おまけに気力だけで干した洗濯物は雨に打たれている。
なんて日だ!

夫婦の溝はこうして出来ていくんだと思う。

バファリンの半分は、優しさで出来ている。
私はこのCMが好きだ。言葉のセンスがいい。

バファリンのほうが夫より優しいと思う。
私を寝かせてくれるし、痛みを和らげてくれるし。

しかし、夫婦なんてそういうものだよな、と言い聞かせるしかない。
付き合いたてなら、きっとアイスに加えてバファリンだってプレミアムをくれたと思う。
だけど、こういう時にさえ好きポイントを稼がずに、降下していくばかりじゃ、本当にただの同居人になってしまうのではないか。

一方、私がそんな事を考えているなんて微塵も思っていない夫。
タミフルのおかげで翌日にはすっかり熱が下がり食欲も回復し、エビフライ定食をウーバーイーツしてる最中の私にアイスを買ってきてくれて、「そんだけ食べれたら元気!大したことなくて良かったね☆」と爆弾発言をしていた。

エビフライなんてがっつりしたもの食べてる私が悪いんだけど、しんどかったのは事実だし、でもそんなこと今更言うのもな。と思いながら、アイスを完食しました。

ここからは余談で、毎日ビタミンのサプリを飲み続けているわけですが、それだけじゃ何も補えないんだな。と思う30代の夏。
インフルエンサーがこぞって紹介すればするほど嘘くさいような気がして、それでも効果のあるものってあると思うんです。

見極めたい。本当の優しさを。

最新情報をチェックしよう!